January 30, 2008

小人が巨人を飲み込む?

年初一発目のネタは2007年を席巻した「偽」ネタにしようと考えていたところに、2007年最後の大きなニセモノが登場してきた。

トヨタ株など「51%取得」虚偽報告か、川崎市の企業・金融庁調査
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080125NT000Y00925012008.html
(日経ネット1月25日付)

 金融庁は25日夜、川崎市に本社を置く企業が、NTTなど6社の約20兆円に上る株式の大量保有報告書を提出したと発表した。実際には株式を取得していない虚偽報告の可能性が高い。
(中略)
 大量保有報告書を提出したのは川崎市麻生区に本社を置くテラメント。昨年11月の法人登記によると、同社は「ITシステム開発、製造及び販売」「企業の買収及び買収した企業の経営」などを目的として、資本金1000円で設立されている。東証の取引終了後の25日午後4時12分ごろ、トヨタ自動車、ソニー、NTT、三菱重工業、フジテレビジョン、アステラス製薬の6社の株式51%を取得したとEDINETを通じ発表した。
(後略)

テラメント株式会社、登記簿を見てみると設立が2007年11月2日で、資本金が1,000円。役員はたったの一人という会社。今回の一件を仕組むためだけに作られた会社なのかもしれない。買ったとしているのがいずれも重量株で、発表したのも金曜後場引け後ということなので、株価をつり上げて儲けるとか、そういう考えでもなさそうだ。また、買った企業の株主移動に関する報告もないし、TOBが行われたわけでもないので、普通に株式投資をやっている人間なら、あり得ないとすぐ気がつくだろう。
こんな手の込んだ「いたずら」をやった理由として考えられるのは、

・EDINETのシステム不備を明らかにしたかった
・一度ぐらい有名になってみたかった

ぐらいだろうか。それにしても、株式会社を登記するだけでも結構な値段がかかるわけで、有名になりたいにしても、もうちょっとやりようがあったような気もする。もし一罰百戒ということで実刑判決をもらってしまうと、次に会社作りたくなったときに役員になれなくなるし。

ただ、これを機に事前規制を入れようという話が持ち上がっているのがちょっと気になる。この種のニセ情報については、出した人間に対して事後でかなり厳しい罰則があるわけで、派手に株価操縦やったら刑務所行きもあるはず。そこに輪をかけて事前規制なんてことになると、SECの仕事ばかり増やしていいことはないと思うのだが。