昨日から、別なネタでいろいろと書こうと思っていたのだが、そこに突然
ライブドアへ強制捜査
というニュースが飛び込んできた。容疑は、関連会社のライブドアマーケティング(旧バリュークリック)が出版社のマネーライフ社を買収した取引に関するもの。このときのさまざまな操作が、証券取引法の
・偽計取引
・風説の流布または株価操縦
の2つがあったらしい。
偽計取引については、日経朝刊などを読むと次のようなことらしい。
バリュークリックの過去リリースを見ると、(株)マネーライフ社の株主は買収当時
VLMA2号投資事業組合 (100%)
となっている。で、この投資事業組合への出資元が、事実上ほぼライブドアだった。これは、実質的な買収時期を故意に隠蔽したことにあたる。
ただ、これだけで偽計取引になるのかな、ってちょっと思ったりもする。情報開示がなっていない、ってことなのかもしれないが、2004年時点ではライブドア側には「どの組合にどれだけ投資しているか」という情報開示義務はない。
風説の流布と株価操縦に関しては、マネーライフ社関連の偽計取引が関係ある、ということのようだが、それもちょっと違うのではないだろうか。これは以前からいわれていたことだけれど、バリュークリック株がつり上がった原因は、なんといってもバリュークリックの株式100分割が原因だ。しかし、これについても100分割したからって株価がつり上がるとは限らず、逆に猛烈に下がる可能性だってある。実際には、個人投資家が仕手筋のように群がって、バカみたいふけ上がったわけだが、それは結果論のような気もする。
もちろん、ライブドアがやってることはかなりインチキくさい、と私も思う。思うけれど、2004年段階では法律による規制できなかったわけだから、いまさら証券取引法違反で立件する、といっても難しいのではないだろうか。
確証はあまりないけれど、私は証券取引等監視委員会も東京地検特捜部も、この件を本気で立件するというより「ライブドア錬金術の秘密」が知りたかったのではないか、と考えている。とくに証券取引等監視委員会は、ガサ入れであやしいテクニックをあきらかにして、今後の法規制につなげたいハズ。さらには、極東ブログでも指摘されていたが、もし証拠のなかにあやしい資金が紛れていたら、そっちで立件するのだろう。なにせ、ライブドアには平成電電がらみなどなど、あやしいウワサはいくつかあるし。
昨年から本格スタートといいつつ、すでに3か月もご無沙汰している「戸村機関」。更新サボっていて申し訳ありません。
今年は、マイペースでの更新とはいいつつも、もう少しは頻度を上げてがんばっていきますので、みなさんおつきあいをお願いいたします。
さて、10月ぐらいのエントリーで、巨人戦視聴率の低下について、いろいろと書いた。その後「プロ野球視聴率を語るblog」や2chの視聴率スレ(プロ野球視聴率を語るスレなどを発見。チェックしていくと、私が書いていたような議論はすでにさんざんされているようだ。なかでも、私が視聴率低下原因で一番自信を持っていた「巨人以外の野球ファンが巨人戦を見なくなった」についてはデータの裏付で論破されていた。勉強不足で情けない...
いずれにしても、昨年の惨憺たる視聴率では地上波ネットからゴールデンで巨人戦をやりたがらなくなるのは当然。深夜の録画中継でもやってくれればまし、ぐらいのレベルである。となると、トータルでの野球視聴率を上げる方法を考えなくてはいけない。といっても、私のなかではいまのところ、
・全国放送はNHK-BSが週1回程度やり、そのほかはローカル放送に徹底する
・そのほかはCSでカバーし、コアファンの要求に応える
・オールスターと日本シリーズ、プレーオフだけは気合いを入れて放送して、放映権料を全球団に分配する
ぐらいしか思いつかない。つまり、レギュラーシーズンについては巨人戦はMXテレビ、阪神戦はサンテレビ、日本ハム戦はテレビ北海道のみの中継、といった具合である。
実のところ、これをやったとしても巨人以外の球団については、収益構造はあまり変わらない。いままで巨人戦で潤ってきた放映権部分を、オールスター・日本シリーズに切り替えるだけだからである。むしろ、日本シリーズの放映権が均等に分配されれば、パリーグ球団にとってはプラスになるかもしれない。
ただ、問題は「12球団が果たして現状のセリーグ級に稼げるかどうか」である。
これがうまくいくかどうかは、アメリカでのMLB放送が参考になりそうだ。
実は、MLBのテレビ中継はすでにそうした傾向がかなり進んでいる。実は、昨年のシーズン後半にアメリカのYahoo! TVで各地の野球放映状況をチェックしていたのだが、平日地上波で野球放送はほとんどない。中継があるのは、土曜、日曜の午前中ぐらいで、それもローカル放送のみ。どうやら、レギュラーシーズンについては、全米ネットの地上波中継はほとんどないようなのだ。その分、プレーオフ、オールスター、ワールドシリーズで放映権料を稼ぎ出し、その金額を各球団に分配する仕組みになっている。
一方、スポーツ好きな人向けには、有料のスポーツ専門局ESPNが、その日試合のなかから注目カードを完全生中継している。これなど、日本のNHK-BSに近いところがある。
では、その全国ネット放送の放映権料はいくらか?
各種資料を見ると、MLBの地上波ネット放映権は現在FOXが持っていて、その放映権料は6年で25億ドル。つまり1年あたり400億円近く払っている。ということは、オールスター+ワールドシリーズ+プレーオフで最大42試合あったとして、1試合あたり約10億円にもなる。
ちなみに、MLBのオールスターやプレーオフの視聴率は10%前後。アメリカ最大のスポーツイベント、スーパーボウルの視聴率が30%前後で、放映権料は1試合30億円といわれている。となると、アメリカでは視聴率10%につき10億円が相場、ってことなのだろう。視聴率10%の巨人戦が1億で高い、といわれる日本とえらい違いである。10倍以上放映権料が違うとなると、日米テレビ局の収益構造が全然違う、と考えるしかない。っていうか、テレビ局、こんだけ放映権料払ってもうかってんの???って感じである。
ちなみに、他の3大スポーツではNBA、NHLがプレーオフとファイナルしか全国中継がない。一方、NFLは日曜昼は1試合3時間の全国放送枠があり、地元チームを優先的に放送している(地元にチームがないところは、注目カードを選んで放送)。月曜日については、もともと注目カードを1試合選んで行うため、そのまま全国放送している。
もっともMLBの場合、レギュラーシーズンの全国放送をできないのは、ゲームの特性からいってもやむを得ないのかもしれない。NFLのレギュラーシーズンは、オーバータイムにならない限りほぼ3時間で試合が終わる。というより、無理矢理3時間にしている、という方が正確で、早い試合展開のときはテレビCM用のタイムアウトを挿入して時間調整するのだ。仮に同点でオーバータイムになったとしても、その試合をやっている地区だけ後番組を休めばいいし、日曜昼間の番組だからそれほど問題にもならない(後番組の視聴率が低いため)。さらに、たいていのオーバータイムは20分ぐらいで決着が付く。
一方、MLBの場合は、試合内容によっては2時間で終わることもあれば、乱打戦のあとで延長20回、なんてことになれば6時間以上かかることもある。これでは、NFLのように全国放送枠を設定して地域ごとに別試合を放送する、というのは不可能に近い。また、ゲームが夜に行われるため、ゴールデンタイムで無駄な放送枠を作ることはできないし、後番組にはドル箱のニュースショーが控えている。ニュースショーは、全国同時放送が大前提なので、一部地域だけ遅れて放送、というわけにはいかない。
日本のプロ野球を巡る視聴率構造は、いま限りなくアメリカに近づいてきている。一方、現状では日本にMLB方式を持ち込んだとしても、今の巨人戦頼みほどの収入にはならないだろう。となると、日本のプロ野球がとる道としては、日本シリーズやオールスターでいかに放映権料をしこたま稼ぐか、を真剣に考えることではないだろうか。