October 20, 2005

最新マシンに残る古代遺産

 先日、実家に帰ると新しいパソコンが届いていた。「古いパソコンが調子悪いので新しいのを買いたい」というので、私が選んで注文したものだ。相談を受けたときには、勝手につないで使ってくれるだろう、とちょっと期待もしていたのだが、やはり「つなぐのはお前やれ」とのこと。つなぐだけだったら簡単だと、30分ほどかけてケーブル類をつなぎ、電源を入れてみる。ま、これぐらいで喜んでくれるなら私としてもありがたいところだ。
 CPUには3MHzクラスのCeleron搭載した最新マシンは、キーボードもマウスもFDDもUSB接続となっている。これならどこにつないでもきちんと動くので、キーボードとマウスを逆に差して使えない、なんて心配もない。仕様を見ると、拡張スロットもすべてPCI Expressで、ISAバスなんて当然存在しない。PC/AT互換機って言葉もようやく死語になったようだ。
 ところが一通り接続をすませて電源を入れると、画面下には「BIOS」の文字が...。そう、PC/ATの遺産として、BIOSだけはいまだに使われているのである。私は最新マシンなら起動にもEFIが使われているとてっきり思っていたので、ちょっとびっくりである。

 WindowsXP時代となっては、起動前のメモリーテストとブートぐらいにしか使われないBIOSだが、MS-DOS時代にはBIOSを経由してFDDやマウス、キーボード、そしてHDDを利用していた。WindowsMeあたりでもその残骸はかろうじて一部残っていたのだが、Windows2000やXPでは、OS起動後にBIOSを使うことはまずない。「デバイスマネージャ」を見ると、各デバイスには「IRQ」「I/Oアドレス」といった、昔ながらのシステムリソースも割り当てられているけれど、これは古いソフトを互換モード(仮想8086モード)で動かすために用意されたものだ。
 WindowsXPがBIOSを使わないのは、いちいちBIOSを使っているとマシンが不安定になるし遅くなるからである。BIOSの原型となったPC/AT時代は、1度に1つのプログラムしか動作できない仕組みで、BIOSもそれに対応して作られている。そこで、一度に複数プログラムが動くWindowsXPでBIOSを使おうとすると、BIOSに処理を頼むたびほかのプログラムも全部止めて終わりを待たないとエラーになるので(ならないようにするテクニックもあるが)効率も悪いし、ヘボプログラムのせいで固まる可能性も高い。そこで、WindowsXPではハードにもBIOSではなくマルチタスク対応のドライバでアクセスするように設計されている。仮に一つのプログラムがハードへの不正アクセスが止まっても、WindowsXP側がコントロールすることでほかのプログラムに影響が出ない仕組みになっているのだ。

 それなら、BIOSなんてなくしてもよさそうな気もするが、電源ON~OS起動というプロセスはとてもシビアなので、安定性や互換性を考えてBIOSを残しているのだろう、たぶん。
 そこで私が気になったのが「果たして最新マシンでも古いDOSやWindowsが動くのか」ということ。今のBIOSは結構高機能で、USBキーボードやUSB起動にも対応しているし250GBのHDDも認識してくれる。また、BIOS設定画面が見える、ということは最新ビデオカードにもVGA(ひょっとするとCGAやEGA?)互換機能が搭載されているハズ。となれば、とりあえずマウスドライバぐらい用意すれば、VGAでMS-DOS2.0やWindows2.11とかを動かすのも不可能ではなさそうだ(DOSだけをテキストモードで使うだけならマウスドライバもいらない)。

 とはいえ、私は昔からPC-9801ユーザーで、PC/AT互換機に乗り換えたのが1997年。当時買ったDOS/VはすでにPC-DOS J7.0/Vで、日本語化した初代のDOS5.0/VやWindows/386、さらに古いDOS2.11などはそもそも手元にない。何とか入手して一度ぐらい試してみたいのだけれど...
 だれか、私の代わりにこんなアホな実験、試してみる人(もしくは試してみた人)、いませんか?

投稿者 kenichi : 12:16 AM

October 12, 2005

阪神タイガース上場について考える

 今回のエントリー、本当なら前回の続きをやらなくてはいけないのだが、阪神上場の話が出てきてしまったのでとりあえずこちらにコメントを。
 阪神タイガースの上場について、コミッショナーも球団オーナー達もそろって反対意見を出している。それはそれでいいのだけれど「上場すると株価がらみで八百長が増える」といった反対論は変なのではないか。

 というか、もしそれをいうなら、すでに親会社が上場企業のプロ野球球団は投機の対象になっている。なぜなら、球団はたいてい100%子会社で、そうなると確実に親会社の連結会計の対象になるから。なにより、それを証明したのが今回の村上ファンドの一件ではないだろうか。また、親会社が非上場企業たとしても、M&Aによるリスクは避けられない。もっとも、市民持株会が過半数を握っていたり、法律で特別に買収圧力から守られている新聞社が親会社なら例外となるが(だからこそ渡辺氏が強行に反対論を出せる、ともいえる)。なお、連結会計の影響については、すでに大坪正則「メジャー野球の経営学」に詳しく書かれている。

メジャー野球の経営学

 とはいえ、私も阪神タイガースの上場には無理がある、と思っている。それは、上場したところでタイガース自体に長期的なメリットがなさそうだからである。日本の野球球団の場合、野球をするだけなら大きな資本は必要ないし(資産がいらない)、資本を活用して野球以外の事業をやる理由もない(それは親会社がすでにやっている)。そんななか、大きな資本を受け入れたとしても使い道はないんじゃないだろうか。

投稿者 kenichi : 12:47 PM | トラックバック