April 22, 2005

不買運動はアホくさい

 最近中国では、反日活動の一環として日本製品を買わない運動が行われているという。逆に、日本でも「中国製品不買運動」をやりたいとネット上に書き込んでいる人がちらちらと発見できる。それを見て思い出したのが、9.11テロからイラク戦争時にネット上でかなり見られた、アメリカ製品や軍事関連企業に対するボイコットの呼びかだ。
 実は私のところにもとある団体からイラク戦争直前ぐらいに「戦争をなくすための活動法について本を出版したい」ということで「軍事関連企業の製品は買わない」というテーマで原稿依頼があった。私はその話を聞いたとき、軍事企業っていったってたくさんあるし不買なんかしたらふつうの人はまず暮らせないよ、といって若干テーマを変え以下のような原稿を書いた(原稿自体は、出版企画の変更によってお蔵入りしてしまった…)。
 なお、この原稿は2001~2002年のデータを元にしている。そのため企業合併、事業売却などにより現在は若干状況が変わっていることをお断りしておく。

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軍事産業にかかわっている企業を知ろう!

 戦争をなくすためにはまずは軍事にかかわる会社がなくなり、兵器が作られなくなればいいじゃないか。そう考えている人もいるかもしれません。でも、軍事メーカーのほとんどは、軍事製品だけを作っているわけではなく、ほかにもいろいろな製品を販売しています。また、もともと軍事向けに開発された技術が、軍事以外の場所で役に立っているのも確かです。そこで、まずはどんなメーカーがどんな軍事装備を開発しているのかをまず知った上で、これからの軍事産業をどうしていけばよいのかをよく考えていくことが大切なのです。
 軍事産業といえば、まっさきに思い浮かぶのが、戦車や軍用機、軍艦といった、重厚長大なものを作っている会社です。こうしたジャンルで活躍するのは、やはり重機メーカーで、世界有数のメーカーは、どこも軍事産業にかかわっている、と考えて間違いありません。日本の場合、大手総合重機メーカーとして有名な三菱重工、川崎重工、石川島播磨の3社は、いずれも防衛庁の納入実績ランキングでトップ5に入る大活躍。なかでも、三菱重工は防衛庁全体のなかでも20%以上を占めていて、ダントツのNo.1企業といえるでしょう。このほかにも、造船を手がけている佐世保重工(SSK)、日立造船、NKK(日本鋼管)や、住友重機と石川島播磨の造船部門を統合したマリンユナイテッドといった会社も上位にランクインしています。また、自動車メーカーとして有名な富士重工や、ゴミ処理装置などで知られる新明和工業なども、実は戦前から続く「中島」「川西」といった名門飛行機メーカーが元祖。いまでも、自衛隊向けに飛行機を販売しています。
 輸送用に使うトラックなどについては、もちろん自動車メーカーが販売。いすゞ、三菱自動車、日野、日産ディーゼルのトラック大手が、輸送用車両を販売しているだけでなく、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、ダイハツなども、何らかの形で軍事用車両を作っているのです。なお、2000年までは日産自動車も航空宇宙部門を持っていて、陸上自衛隊向けのミサイルなども作っていましたが、部門ごと石川島播磨に売却したために、いまは自動車のみを販売しています。
 軍用機や軍艦が活動するためには、レーダーシステムやミサイルの照準を合わせるための「射撃指揮装置」と呼ばれるコンピューターシステムなども欠かせません。こうしたハイテクなジャンルで活躍しているのが、三菱電機や日立、東芝、富士通、NECなどのメーカーです。とくに、日立や東芝、三菱の総合電機メーカーでは、大型装置を作る技術力を生かして、移動式の砲台までセットで手がけて販売しています。また、カメラメーカーのニコンは、もともと軍艦向けの潜望鏡を開発しているほか、レーザーを使った距離測定技術を、系列の三菱電機をはじめさまざまな軍事メーカーに提供しています。
 さらに、軍用機や軍艦などと地上との連絡に必要な無線機には、携帯電話のトップメーカーである松下通工、三洋電機、NEC、国際電気などの製品が使われていますし、ソニーの関連会社のソニーテクトロニクスや横河電機の子会社である横河電子工業などは、機器のメンテナンスに必要な測定機器を自衛隊向けに開発しています。
 砲台から発射されるミサイルなどに詰め込まれる弾薬となると、ここは化学メーカーの出番。旭化成や日本油脂、ダイセル工業などが、自衛隊向けの火薬では大手メーカーです。また、空気清浄機で知られるダイキン工業は、実は弾丸メーカーの最大手でもあり、ピストルやマシンガンといった銃器はミネベア、豊和工業といった精密機械メーカー製です。そのほか、野戦用のテントは、アウトドア用テントでトップブランドの小川テント製ですし、自衛隊が活動するのに欠かせない防護服には、帝人、東レ、東洋紡、ユニチカなどが開発した特殊繊維が活用されています。そして、こうした化学製品の原材料となる石油はもちろんのこと、自衛隊が直接活動するのに必要なガソリンや重油なども、日石三菱やジャパンエナジー、ゼネラル石油(エクソンモービル系列)といった大手石油メーカーから供給されているのです。
 自衛隊に製品を販売している会社を並べていくと、私たちの周りにある製品を作っている多くのメーカーが、何らかの形で軍事産業にかかわっていることがわかります。ところが、残念なことにこうした会社のほとんどは、軍事製品を作っているということを、ごく限られた場所にしか発表していません。防衛庁向けに製品の販売しているメーカーは、いずれも国の安全を守るために必要な装備を開発している、という自負があるに違いありません。もしそうであるなら、ことさらに隠し立てすることなく、みんなに向けて積極的に情報公開をしていく必要があるのではないでしょうか。
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 このように、軍事というかなり狭いジャンルでも関わる企業は膨大で、全部を買わないのはとても難しい。ましてや、「日本企業」「中国企業」「北朝鮮企業」みたいなターゲットで不買運動をやろうなんていうのは、国レベルで高いコストをかけて経済制裁をかけるしかないし、ただでさえよくない景気がよりいっそう悪くなるだけだ。もちろん、多少のデモンストレーション効果はあるだろうし、「○○嫌い」の自己満足感を得られることは否定できないが。
 中国の人たち(そして日本の人たち)も、不買運動をやるぐらいなら「中国(日本)製品を買おう」運動でもしたほうがはるかに効果的なように思う。たとえ東風汽車の自動車が駆動系部品にジャトコ、電装部品にデンソーを使っていたとしても、立派な中国製品にはかわりないのだから。

投稿者 kenichi : 3:17 PM

April 18, 2005

中国反日デモは民主化への起爆剤?

 4月に入って、中国で起きた反日デモはどうもすごいことになっている。数万という参加者数はともかく、日本大使館に投石があって車や建物のガラスが割られた、というのはかなりヤバイ。
 とはいえ、中国でネタが「反日」とはいえデモが自然発生的におこりそれが盛り上がるというのはある意味民主的なことともいえる。どんどん反日デモをやって各地で盛り上がるようになってくれば、それをきっかけに中国の民主化がもっと進むのかもしれない。それが、日本にとっていいかどうかは別だけど。
 とはいえ、中国政府も反日デモがOKということなら法輪功もOKにしなくちゃいけないはずなんだけれど(法輪功は政治的なアピールをほとんどしていないし)、こっちのほうはどうなっているんでしょうねぇ。

投稿者 kenichi : 3:34 AM