February 22, 2004

サポーターに街頭デモは似合わない

最近、サッカーファンの間ではジーコ日本代表監督の評判が猛烈に悪い。ま、先日の日本-オマーン戦もヒヤヒヤの勝利だったわけで、ダメだこりゃ感が爆発させる人が多いのはわかる。
そんななか、日本サッカー協会、そして日本国民にジーコ解任をアピールするための街頭デモが今日東京で行われた。
街頭デモがいつどんなところを通り、どんな人がやっていたのかはここを見て欲しいのだが、とりあえず私も「どんなもんかね」ということでちらっとその様子を見てきた。

あらかじめ断っておくが、私自身はジーコ監督がダメとは思わないし、このまま続けてもいいんじゃないかと思っている。さらに、街頭デモという行為に対しても、そのアピール力にちと疑問を持っている。これから書くのはそんな人のリポートということで、ジーコ解任賛同者もニュートラルな方もその辺を割り引いた評価としてとらえてほしい。
さてさて、私が街頭デモを見物したのは、水道橋駅の近くだった。最初は四谷駅付近で見ようと思っていたのだが、到着したときはすでに通過後だったため、水道橋駅まで移動。東京ドームの目の前でようやくデモの軍団に遭遇することができた。参加していた人は、大体80人ぐらいというところか。そのほとんどが、「ZICO NO」とか「このままでドイツは大丈夫」といったプラカードや横断幕を掲げている。
私がビックリしたのは、デモにしては歩くスピードが早いことと、誰もシュプレヒコールを上げていないことだった。
普通、デモといえばやたらと遅く歩きながら「日本サッカー協会はジーコをすぐに解任せよ!(by拡声器)」「解任せよ!(byみんなで合唱。一オクターブ上がる)」みたいなシュプレヒコールが定番なわけだが、それが一切ない。警察に拡声器使用を自粛させられたのか、はてまた「いかにも街頭デモ、っていうのはやだよね~」ということでわざとやめたのか…。
私は、その様子を見ながら、こんなに静かで果たしてジーコ解任をアピールできるのか、と思ってしまった。実際、周りで見ていた人には「あれって何よ。ジーコ。ジーコってサッカーの監督だよね~。で、何なの?」といっている人もいたし。
街頭デモをやる一番の目的は、直接見ている人たちに何が問題か、その解決策はなにか、を知ってもらうことだろう。今日のデモを見ていると、その問題提起の部分が、周りの人にアピールできていなかったと思う。要するに、ジーコ問題って、街中でアピールしたところで、多くの人がすぐにピンとくる問題ではないということだ。
もちろん、一回目は周りの注目が少なくても回数を繰り返すうちにみんなが振り向くようになる、という意見もあるだろう。また、メディアで街頭デモが大きく取り上げられることで運動が大きくなっていく、そういう意見もあるだろう。私も、そういう意見は正しいと思う。でも、回を重ねるうちにマスコミが注目しはじめ、いずれは大ムーブメントに、という道を達成には、日頃の活動を通じてマスコミに人脈を抱え、評論家の支持を集めたり、といった地道な活動が不可欠だ。あるいは、超有名人にデモに参加してもらうとか…。街頭デモは、こうしたPR活動とセットではじめて機能するものだと私は思っているのだけれど、ジーコ解任デモを見る限り、あまりそうしたバックボーンってなさそうな気がする。
PR活動って、嫌いなマスコミ人ともつき合うだけでなく、内部意見をまとめたり経費を巡る生臭い金話しをしたりと、いろいろと面倒なこともしなくちゃいけない。趣味や使命感だけでやるには、あまりにもキツイ作業だと思う。
サッカーサポーターには、自分たちの主張をアピールする場所として「スタジアム」っていう、とってもいい場所がある。ここならマスコミの注目も高いし、激しいブーイングをすればスポーツニュースでちゃんと報道してくれる。もしジーコ解任を要求するなら、PRや街頭デモといった面倒で大変な作業をするより、まずはスタジアムでブーイングを続けることが、一番の近道なんじゃないかな。

投稿者 kenichi : February 22, 2004 11:30 PM